武器としての図で考える習慣-「抽象化思考」のレッスン

ビジネス

自分が20代の時、できる上司や先輩が教えてくれるときは図を描いて教えてくれたことが多かったということや、これから人に説明することも増えていくため、本書を読ませていただきました。

今回は本書で取り上げられている3つの図をご紹介させていただきます。

人に説明するとき、プレゼン資料を作るとき、解決策を見つけたいときなどの参考になれば幸いです。


1.ピラミッド図

ピラミッド図の特徴:複雑なものを具体的な要素で分解することで、理解するアプローチ

例として、「営業力がない」という問題をピラミッド図で分析をしてみます。

平井 孝志. 武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン . 東洋経済新報社.

ポイントは、「なぜを5回繰り返すと真意が見つかる」ということです。

2回目、3回目の「なぜ」で「顧客のことを知って売り上げを増やしてもあまり給与が変わらないから」ということが見えてきます。

そうすることで、「人事」の切り口が見えてきました。この会社では製造・開発が強く、営業が軽視されているのかもしれません。

そうすると「組織風土」の切り口が見えてきました。

ここでの注意点は原因と結果は自明ではなくわかりにくいもので、入れ替えて関係性を吟味する必要があるということです。

今回の例に挙げた例も、「営業力がないから、営業部が軽視されている」のかもしれませんし、「営業部が軽視されているから、営業力がない」のかもしれません。

もう一つの例として、「勉強が嫌いだから、成績が悪い」というのも逆の可能性があります。「成績が悪いから、勉強が嫌い」であれば、「勉強を好きになれ」といっても無駄ですね。なぜなら因果関係が逆だからです。

それよりも、何かの科目で、何かの小テストで、いい成績を取らせてあげるようにお膳立てをして、気分を良くさせると勉強が好きになり、成績が上がるかもしれません。

このように、ピラミッド図では「本当にそうなのか?例を挙げることができるか?」と因果関係を確認することも重要です。

もし具体例が思いつかなかったら、それは机上の空論となります。

2.田の字図

田の字図の特徴:本質を切り取り、思考を整理するのに役立ち、解決策を導き出す

例として、「子供の学力を上げるためには」という問題を田の字を使った活用をご紹介します。

ある夫婦が子供の成績が悪いことに悩んでおります。

子供が寝静まった後の会話で、1「テレビの見過ぎだ」2「夫が子供に勉強しろと言わない」3「携帯ばかりいじってる」

4「家庭教師をつけるべきか」5「やる気がなく集中力がない」6「勉強を始めるとすぐ寝てしまう」とお互いが意見を出し合ってもまとまらない、そんな経験はないでしょうか。

これらのコメントを縦軸と横軸で考えます。そうすると1~3は「勉強時間が少ないこと」に関するコメントであり、

4~6は「勉強の質」に関するコメントということが分かります。

勉強の質が良く、勉強の量の多い、理想の右上のマスに行くには、3つの過程が整理できました。

平井 孝志. 武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン . 東洋経済新報社.

①は子供の要領が悪く、質の向上をきっかけとするのは現実味がない、②質と量を同時に上げるのも、難易度は難しいと判断したとします。

そこで③の「量を増やしてから質を上げる」道筋です。

自習時間を管理してくれるような塾に子供を入れるなど解決策が見えてくるかもしれません。

このように、意見を書き出すなどして、整理しグルーピングし、縦軸と横軸を作っていくことで、

ビジネスでも、日常生活でも活用ができるのではないでしょうか。

3.ループ図

ループ図の特徴:物事の関係性に着目し、構造と因果を理解するための型

平井 孝志. 武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン . 東洋経済新報社.

因果関係の一つのループ図に、違うループ図を埋め込むことで、打開策が見えてくることがあります。

平井 孝志. 武器としての図で考える習慣―「抽象化思考」のレッスン . 東洋経済新報社.

ここでわかる重要のことは、①構造と②因果を変えない限り、現象が変わることはなく、問題は解決しないということです。

例を2つ挙げます。

①構造を変える

「仕事が忙しくて彼女と会う時間が取れずに、険悪になってきた」→「毎月第一営業日の水曜日をデートの日にする」

これは日々の仕事に流される前に、定期的なイベントとして埋め込んでしまい、強制的に会う時間を確保することができます。

「時間が空いたら→会う」から「会うことを前提に→仕事を組み立てる」に構造を変化しました。

②因果を変える

「甘いものをついつい食べてしまう」→「玄関に体重計を置いておく」

自分へのフィードバック機会を増やすことで、ついつい誘惑に流される自分を、体重を常に見える化し、ダイエットの意欲を思い起こさせることができます。

「食べてから→測る」から、「常に測定し→危機を増大させてから食べる(食べない)」という因果関係を変えることで、現象が変わり、問題が解決するかもしれません。

このように、「会うことができない→険悪になる」「険悪になる→会うことができない」という負のループに、もう一つのループ図の「デートの日を先に決める」というを組み入れることで、新しい発想が解決策できました。

これもループ図の強みと言えるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

図を使って説明すること、整理することは、ビジネスの世界だけではなく、日常生活でも活用できると思います。

今回紹介をしたのは、3つとなりますが、他にも本書では紹介をされておりますので、

もし興味がありましたら、ぜひ本書をお読みください。

この度は最後までお読みいただきありがとうございました。

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