この記事では、私たち日本人の働き世代が抱えている「リスク」を橘玲さんの著書を参考に説明をさせていただきます。
この記事で読んで学べる事
- 日本人が抱えているリスク
- 対処方法について
- まとめ
「戦後の働き方やバブル世代の働き方と何か違う…」
「家賃はもったいないから、早く家を買ったほうがいい」「投資なんてリスクがあるからやらないほうがいい」って言われるけどほんと?
そう感じている方も、誰かに説明するときの参考になれば幸いです。
参考文献:
日本人というリスク
日本人が抱えているリスク
日本人のリスクについて説明をする前に、
下記のような考え方をしている方にどのようなリスクがあると思いますか?
偏差値の高い大学にはいって大きな会社に就職することを目指し、
住宅ローンを組んでマイホームを買い、株や外貨には手を出さず円の預貯金を増やして、老後の生活は国に頼ります。
自分の両親、友人、会社の上司などこのような考え方っていらっしゃいますよね?
実際に自分もこのような考えはリスクがあるとは、あまり実感ができず、当たり前の人生設計だと思っておりました。
本書を通して、学んだリスクを簡単にご説明させていただきます。
まず上記のコメントのリスクを4つに分類をして番号を付けます。
- 偏差値の高い大学にはいって大きな会社に就職することを目指し、
- 住宅ローンを組んでマイホームを買い、
- 株や外貨には手を出さず円の預貯金を増やして、
- 老後の生活は国に頼ります。
橘玲さんが説明している戦後の日本の人生設計の4つの神話は下記の通りです。
- 会社はつぶれない
- 不動産は上がり続ける
- 円は最も安全な資産
- 国家が破産することはない
戦後から70年以上経過している現在では、上記の考えが神話であり、現代の生活でからは古い考えであるということは何となく理解ができ、リスクが高いと思います。
しかし自分たちの親世代は戦後の日本を生きてきており、上記の神話通り生活をしても、生活に困ることはなく、私たちの働き世代も幼少期は、恵まれた生活ができていた方が多いと思います。
頭の片隅では現在では上記の神話には、リスクがあることは何となく分かっているけれども、周りの友人や同期がマイホームを買ったり、投資をしてる方が少ないと
「まあ、リスクはリスクだけど、みんなそうしているし、大丈夫でしょ」と、そう思ってしまう方もいらっしゃのではないのでしょうか?
次の章では、リスクの説明ではなく、対処方法を記載させていただきます。
リスクについての考え方は、それぞれの人の就職先や資産残高や住環境など人によって違うと思いますので、人生でリスクを感じた時の参考になればと思い、対処方法を記載させていただきます。
対処方法について
1.会社神話(大きな会社に就職して定年まで勤める)の対処法
伽藍を抜け出してバザールへと向かい、極大化した人的資本のリスクを分散するべきである。
これが対処法となりますが、簡単に背景から、橘玲さんが推奨する方法をわかりやすくご説明をさせていただきます。
日本人は会社にほとんどの人的資本を投資しております。
それは会社が倒産したりリストラに対象になると労働市場の流動性が低い日本では、再就職が難しくハイリスクな投資となります。
大企業のトヨタ自動車でさえ、
「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」という意見もありました。
「終身雇用難しい」トヨタ社長発言でパンドラの箱開くか 2019.5.14
日経ビジネス:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/051400346/
それでは、「伽藍を抜け出してバザールへと向かい、極大化した人的資本のリスクを分散するべきである。 」とはどのようなことでしょうか?
伽藍:一つの集団が物理的・心理的な空間に閉じ込められている状態(学校・会社など)
特徴:ネガティブゲーム→容易に移動ができないので、悪評が残りやすい。そのため悪評を避けることを意識しなければならない
バザール:開かれた空間で、店を出すのもたたむのも自由(オンラインサロン・ネットショッピング・YouTube)
特徴:ポジティブゲーム→できるだけ目立ち好評を集めることを意識する。悪評が出たら、店を畳んで場所を変えればいい。
つまり、
「会社や学校などの悪評が避けることを意識しなければいけない伽藍を抜け出して、 せどり、YouTube、ブログなど好評を集めることを意識するバザールに向かい、人的資本のリスクを分散する」ということが必要だと思います。
最近では副業を始めるサラリーマンが増えておりますが、橘玲さんの考え方からも副業を始めることは、人的資本のリスク分散になると思います。
2.マイホームの推奨に対する対処法
まずはマイホームは不動産投資であることを認識することで、今後買うべき物件や選び方のコツが見えてくると思います。
マイホームが不動産投資である3つの理由
①帰属家賃
帰属家賃とは、マイホームは自分で自分に家賃を支払うことである。
例えば、持ち家に住んでいたAさんが転勤になり、そこに住むことができなくなって時に、Bさんに貸して家賃を得ることができると思います。(Aさんがオーナーさん、Bさんが借主)
つまり、他者に貸す前にも持ち家には、オーナーと借主の関係が、一人二役で行われていたと考えることもできます。
②マイホームはレバレッジをかけることができる信用取引
例えば、自分の年収の5倍以上のマイホームを低金利で購入して、他者に貸すことで収入を得ることができます。もちろんレバレッジをかけることができるため、賃貸よりもマイホームはリスクが高いといわれてます。リスクとしては地震・天変地異・隣人トラブルや大きい幹線道路が目の前にできるなどの近隣環境の変化等があります。
③地価の上昇時は不動産を買えば儲かることができる
バブル崩壊前の戦後の日本の不動産神話では、「不動産は上がり続けるから早く買ったほうがいい」といわれていたと思います。
しかし現在では不動産投資のリスクが顕在化したことで、住宅展示場の営業マンは「不動産は上がり続けるから、早く買ったほうがいいですよ」とはなかなか言ってこないですよね。
しかし「家賃を支払うくらいなら、家を買ったほうが得」という意見はよく耳にするのではないかと思います。
しかし投資のリスクの全く異なる「持ち家ローン」と「家賃」を単純に比較することはできないものを比較して進めてくる営業マンはいらっしゃいます。
賃貸の良し悪しの判断として、橘玲さんは下記の考え方を提唱してます。
実質利回りが5%以下で賃貸を借りることを目指す。
実質利回り=年間家賃÷物件市場価格
例1:月家賃20万円、物件価格6,000万円
年間家賃240万円(20万円×12か月)÷6,000万=4%
例2:月家賃10万円、物件価格2,000万円
年間家賃120万円(10万円×12か月)÷2,000万=6%
例3:月家賃16万円、物件価格3,500万円
年間家賃192万円(16万円×12か月)÷3,500万=5.5%
理由としては実質利回り(5%)より低い家賃で家を借りることができるのであれば、賃貸で家賃を支払って、資金をより利回りの高い収益機会に投じたほうが有利という考え方です。
上記の例1が5%以下ですので、家賃は一番高いですが、高い物件価格にしては低めの家賃で住めるということも意識するといいのではないでしょうか。
ちなみに米国株のインデックス投資の平均利回りが3.26%となっておりますので、5%は少し高めかもしれません。
アセットクラス | 株価指数 | 平均利回り (つみたてNISA) | 税引き後平均利回り (通常の積立投信) |
---|---|---|---|
国内株式 | TOPIX | 1.43% | 1.17% |
先進国株式 | MSCI World Index (MSCIコクサイ・インデックス) | 2.63% | 2.19% |
新興国株式 | MSCI Emerging Markets Index | 3.67% | 3.10% |
米国株式 | S&P500 | 3.84% | 3.26% |
全世界株式 | MSCI ACWI Index | 3.62% | 3.05% |
なおマイホーム購入する場合、リセールバリューを検討することが大切です。
買った時よりも売ったときのほうが高く売れるなら、マイホームをローンで購入するメリットはあるとのことです。
もちろんそんな物件はなかなか市場に出回ってないですが…
「3.円は最も安全な資産」、「4.国家が破産することはない」の対処法
最後の3.4に対する対策は簡単にまとめさせていただきます。
個人のリスクを国家の経済的リスクから切り離すために、世界の株式に投資する。
私たち日本人のほとんどは、家・会社・年金などほとんどを日本の経済状況に影響されておりますので、リスク分散のために日本以外に投資をするのは納得できると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
橘玲さんの著書、「日本人というリスク」を読んで、内容のまとめと感想を書かせていただきました。
私たち日本人がハイリスクな人生を送っていることを少し認識できたでしょうか。
もちろん自分もその一人であることを忘れないでいたいと思います。
人的資本のリスク分散をするためにも、会社以外の収入源の確保が必須であり、副業をすることはリスクのある人生で生き抜くためには必要なことですね。
金融資本については、引き続きドルコスト平均法で世界株投資をして、安定した人生を送るためにリスク分散をすることを心がけていきたいです。
マイホーム購入のリスクやサラリーマンとして会社にささげる終身雇用を信じて生きていくリスクについて頭では分かっていた方も、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
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