今回はリンダ・グラットン、アンドリュー・スコットさんの著書で、まんがで読みやすくなった本書2冊の読み、要点をまとめさせていただきました。
「まんがでわかる LIFE SHIFT 2(ライフ・シフト2)―100年時代の行動戦略 LIFE SHIFT 」
「マンガでわかる年収400万円からのライフシフト2」
本書を読んだきっかけは、新たに人生の転機を見つけたかったためです。前作の「LIFE SHIFT」を1年前に読んだときは、自分の中にあった既成概念を壊すことができました。
定年が70歳になるかもって聞いたけど、そんなに働き続けたくない
そもそも今の会社で働き続けられるか不安…
家のローンや子供の教育費、老後資金の貯えのために精一杯で将来のことなんて考える余裕はない
今の年で新しいことを始めるなんて、もう無理だよね
こんなことを思っている方に特に本書はおすすめです。
【本書の結論】
100年時代を生きていく我々は、昔のような終身雇用制度を信じて働き続けるのは危険。
100歳まで生きることを前提の上で、学びを繰り返し、新しいことに挑戦をしていくべき。
「理想の自分」は主体的に考え、家族とのストーリーの共有を何度でも繰り返すことが大切。
それではよろしくお願いいたします。
目次は多いですが、5分程度で読み終えることができます。
マルチステージとは
今までの生き方:3ステージ
まずマルチステージの紹介の前に、多くの方がイメージする人生の3ステージから紹介です。
教育20年、仕事40年、引退20年
3ステージの人生では、移行のタイミングがはっきりしていた。
高校生まで勉強を頑張りいい大学に入れたから、きっと大企業に就職できる!
大手企業に入れば、僕の人生は定年まで安泰だ!!
しかし長寿化に伴い、戦後では成功例とされてきた3ステージでは、上手くいかない可能性も出てきている。
これからの生き方:マルチステージ
これからの時代は、三つのステージで人生を区切るのではなく、マルチステージで人生計画を立てる必要がある。
マルチステージでは移行のタイミングは個人に委ねられ、移行の回数も増えることになる
キャリアを2つ、3つと持って人生の再創造を繰り返して、何度でも学び直し、働き直す事がこれからの人生を生き抜くことの鍵になる
マルチステージの本質はエイジ(年齢)と人生の結びつきが弱くなることである。
例えば「30歳は正社員で仕事をしていて、70歳で引退生活を送っている」ということではなく
「30歳で引退している人もいれば、70歳になっても正社員でバリバリ働いている人もいる」。
そうすることでさまざまな世代との交流で視野が広がり、刺激を与えたり、与えられたり、世代間の無理解や偏見から生じる分断も回避できる。
やはり長寿化で増えた時間で、副業や学び直し、フルタイム以外の仕事につく事も必要になる
大学卒業の知識だけで就職後長い人生を生きていくには、無理がある。
社会人になっても常に学び続けることを、意識していきたい!
自分のキャリアを会社にゆだねることは、3ステージでは当たり前だった。
今の会社だと自分のキャリアが見えないよ~
ちゃんと考えてくれてるの?自分のキャリアプランを説明して!
しかし昔と違ってキャリアを築くプロセスは、会社ではなく自分自身が責任を持って主体的な選択をする必要がある
3ステージでは自分を曲げて会社にしがみつくのが、当たり前だったかもしれない。
しかし本来は多様な選択肢がある
マルチステージでの3つの向き合い方
【物語】
自分自身がどんな人生を送りたいかということ、自分の人生を道筋や設計図
具体的に、どんな仕事に就きどんなキャリアを築くか、どんなスキルや時間の過ごし方が必要か、どういう最期を迎えたいか
物語に必要な「足場」と「ありうる自己像」
①足場→自分にどんな能力やどんなスキル(経験や技術)、人的ネットワークがあるか(誰が助けてくれるか?)
②ありうる自己像→どうなりたいか?未来の選択肢
自分の足場の確認をして、「どうなりたいか?」の自分の情熱に目を向ける。
ありうる自己像を実現するために足りないものがあれば、足場を固めるためにスキル獲得や人的ネットワークを広げる行動を移していくことが必要である。
今自分がもっているものは何か?
なりたいものは何か?
実現するために必要なものは何か?
【探索】
学習し、人生の移行に取り組む
学習するものを選ぶコツとしては、自分が興味のあることから始めて、学びがあれば続けていく
興味があることは苦にならない
短い時間でも、さまざまな活動を通して探索がを行い、それぞれの道を選んだ場合に、どれくらいの喜びが得られるかを知っておくことは大きな価値となる
→例:男性育休
育休を2か月取りました。仕事から離れることで感じた経験は貴重でした。
これからのマルチステージ型の人生を過ごすうえで、大きな価値になりました。
過去を手放すしなやかさ・学び直しの重要性
新しいスキルを身につけ、新しいアイデンティティを確立する過程では、不安はついて回る。
場合によっては自分の専門分野を捨てなくてはならない。
自分は経理を専門として10年以上働いている。しかし経理の仕事が好きではないかもしれない。
せっかく築き上げた専門分野を捨てることも必要か…
未来の選択肢を支える足場を築くためには、スキル、能力、人的ネットワークを育む必要がある
【関係】
自分がどこの誰なのかというアイデンティティの漂流を防ぐ”碇”
マルチステージ型の人生は、移行や変身を繰り返して成長していく反面、移行が多い分「自分は何者か?」というアイデンティティを見失い”漂流”するおそれもある。
そこで必要なのが、周りの人との人間関係をいかに築き、いかに充実させるかである
地域社会のコミニティーに参加し、年齢を超えた関係を積極的に築くことも必要である
自分の父は、地域の少年サッカーの監督をやっていました。
職場の上司も少年サッカーのコーチをやっているようで、そのような活動が人生をより充実させるのかもしれない!
特に家族との関係は重要である
マルチステージ型の人生では、様々な選択肢が生まれ、家族の形も多様化する
そうした変化に対して支えあう関係になるため、家族という機能やあり方の見直しと、お互いの物語の共有が必要
実は仕事を辞めてラーメン屋をやりた…うわっ
子供の教育、家のローンはどうなるのよ!!家族のこともか考えなさい!
マルチステージの3つのキャラクター
あなたはどのキャラクターを目指しますか?
エクスプローラー
人生を旅して自分と世界を再発見する
日常生活から離れ旅をしたり新しい人と出会ったりして、既存の価値観から抜け出し自分についての理解を増やしていく
自分探し青年海外協力隊や国際NGOへの参加など
40代半ばや70代から80代が適齢期
インディペンデントプロデューサー
組織に雇わられず自分で仕事を生み出す
やりがいや人との繋がりを重視して試行錯誤を繰り返して学びを深めていく
職を探すのではなく自分で職を生み出す人、独立生産者
事業を創り出すことを目的であり、利益を生み出すことが目的の起業家とは違う
具体的には、事業を起こし運営していく過程で、スキルや知識、人的ネットワークなどの無形資産を身につける
ポートフォリオワーカー
異なる種類の活動を同時に行う人
仕事だけではなく、ボランティアや趣味など収入目的以外の活動もして、バランスを取りながら人生を生きていく
経験や知識を活かして色んな自分を楽しむ
3つ資産
マルチステージの生き方では、仕事一筋でなく、その時々であるいは同時並行で「本業で働く」「副業でキャリアを積む」「何かを学ぶ」「ボランティアや社会貢献する」など、様々に変化し続ける
マルチステージを生きていく上で「無形資産」が必要である
「無形資産」は目には見えないけれども価値のあるもの、あるいはお金に変えられないものである
この形のない資産が将来的には有形資産(お金、家、車)を生み出すカギとなっている。
無形資産ってなに?目に見えない?
3つの資産に分けて下記の通り説明をする
生産性資産
身につけたスキルや技術力、人間関係
常に更新し続ける事が大切
例えば変化するために専門学校や通信教育で知識や技術を身につける
ことや新たな人間関係の構築のためにコミュニティに飛び込むこと
活力資産
体と心の健康をささえるもの
「体が資本」と言われるように、人生100年時代では、現役で活躍し続けるためには健康が大事
充実した人生には精神面での健やかさも必要
変形資産
人生で何度でも変更やステージ移行を成功させる意思や能力
〈例 震災グッズや避難訓練など事前に準備するもの〉
変化する意思や能力があれば、次のステージに移って新たにキャリアを開拓する事ができる
イメージがしにくい変身資産ですが、
一歩踏み出す勇気、自ら変わろうとする意志(自発性)と言い換えること分かりやすい
移行するには不安がつきもの
しかし未来を見据えた行動が可能性を開花させる
古い社会規範や既存の制度を頼りにするのではなく、自らの力で切り拓き、新しい人間関係やスキルを手に入れる
マルチステージへ移行できない壁の越え方
ミドルエイジクライシス(中年の危機)の存在を知る
30代から50代の方は「仕事、育児、介護、住宅ローン、子供の進学」などの重い責任を背負いながら、働いている
仕事、育児、介護、住宅ローン、子供の進学などをミドルエイジクライシスである
そんな夢みたいなこと語ってられっか!!
目先の問題で精一杯なんだよ!
仕事、育児、介護、住宅ローン、子供の進学など俺にはたくさん背負っているんだよ!!
家族のことはどうすんのよ!?
家のローンだってまだ30年以上残ってるし、これから子供の学費でお金がかかるのに!!
このように思われる方は多いのではないでしょうか。
まずはミドルエイジクライシスというものがあることを理解しましょう。
丘の上視点ではなくから鳥の目型視点
現在バイアスというのはご存知でしょうか。
大半の人は丘のてっぺん型の視点で、過去や未来を見ているので、現在バイアスがかかり、直近の問題に目が行きがちである。
丘の上視点は直近の問題が一番大きく見えるため、将来のこと、特に先になればなるほどその問題が小さく見える
鳥の目型のように、空高くから未来や過去を見る事で、目先の問題に捉われる事なく、人生の本質に目を向ける事ができる
今の前提は覆る可能性を理解する
リストラや転勤、左遷など仕事上で大きな変化が突然起こることがある
あるいは社会制度の変化で「先々こうなるだろう」と想定していた前提が覆る可能性もある
会社が外資系に買収されて、今日から英語でミーティングをやる??
出来なけらばクビ!?
ボーナスカット?児童手当が廃止?
やばい!住宅ローンが払えない…
今の給料や社会制度など、ずっと保障されて続けるとは限らないということを理解しておく。
あと何年で死ぬか?
死生学的年齢はご存知でしょうか?生まれてからの年数ではなく、現在から死亡するまでの残された年数を数えること
人生百年時代と言われている。
平均寿命を目安に残りの人生を測ると思ったよりも長いと感じられて、今やるべきと考えていた事(例えば子育てと老後資金の蓄え)ことから違う見方ができる
もしかしたらまだ人生の折り返し地点に来てないかもしれない
もう40歳になっちゃったよ~
100歳まではあと60年も残っている!まだ半分以上残ってる!!
ありうる自己像(どうなりたいか?)を見つめ直す
「何歳だから〇〇しなければならない」「いい歳して〇〇して」など年齢の可変性に気づかないと、自分の可能性を狭めることになる
この先残されている時間の価値を見直し、ありうる自己像に至るには「いま」何をすべきか再検討をするべき
年を重ねたからこそ身についた能力の存在を知る
新しいことを始めるには遅すぎると思ってしまうことや、自分には人に与えられるものはないと思ってしまうことはないでしょうか。
今さらこの歳で新しいことを学ぶとか無理だし、お金もないし、自分には何も貯えなんてないよ…
人間の脳には新たに難しいことへ挑戦すると機能がよみがえる性質(神経可塑性)があるため、何歳からでも学習することはできる。
さらに年齢や経験を重ねるほど強まる知能は「結晶性知能」がある。
結晶性知能とは相手の考えや気持ちを理解する能力。
お金はないとしても、年をとればとるほど”経験の貯え”は持っている
その貯え=「結晶性知能」を活かせば人生の転換や移行はできる
仕事では人に教えたりするのがうまいと言われていた。
昔趣味でやっていたテニスを人に教える仕事をやってみよう!
教えることが一番の効率的な学びと言われているし!!
自分だけの物語を見つける
人生の移行を成功させるヒントは、ワクワクできて新しい「自己像(アイデンティティ)」につながる道を探すこと
家族全員とのストーリーの共有が大切
3ステージでの女性の不利益
マルチステージては、フルタイムで働く時期やワークライフバランスを充実されるために休息を取る時間もある。
仕事につぎ込むエネルギーを時間によって増減されられるような働き方が必要
実りある人生の土台を成すのは家族とコミニティーとの深い人間関係が必要。
しかし3ステージでの今のようなフルタイムで働くスタイルでは、深い人間関係を構築するのに時間がかかる。
特に育児や介護のような無償の仕事は本業に費やす時間を減らすために、会社から不利益を被る可能性が高くなる
女性が無償の仕事は主として担ってきたため、男女の賃金差は埋まらない状況であり、今も続いている
親の介護や育児で、自分のやりたいことはできない…
旦那は単身赴任で転勤させられてしまい…
やりたいことなんて全然出来ない!!
これからの夫婦関係
夫婦のキャリアには大きく三つに分けられる
・キャリア+ケアラー 夫が働き妻が専業主婦
・キャリア+ジョブ型 生活費を補うために妻がパートで働く
・キャリア+キャリア 双方がマルチステージの中で、キャリアを追求する
本書ではキャリア+キャリアを推奨している。
例えばボランティアや学び直しなどのステージ移行やトラブルなどでキャリアを離れることになった時、もう一方が安定したキャリアに就いていれば、「探索」を支える経済的な基盤が揺らぐことはない。
特に「意識的に相互依存関係を育む」ことで、柔軟性や選択性が高まるとされている。
家族に心配をかけないように自分ががむしゃらに働くのではなく、悩みを打ち明けお互いが助け合える環境を整えることで、将来の選択肢も増える
一方が仕事を一時的に辞めて、子どもの成長を見守れる距離にいて、子どもが巣立ったら、また仕事を始めればいいなどライフステージにあった人生設計も可能である。
企業とマルチステージ
これからの企業は従業員をただ守るだけではなく、先の人生や選択肢を見つけるためにサポートをすることも必要である
例えば勤務形態の制約を外すことで、時間を作り従業員一人ひとりが自分達の道を開拓・探索できる
企業は職を守るのではなく、人を守ることを意識する
×【職を守る】
例えば自動運転で職を失う人が出ないように導入を制限する→低賃金+低生産性の悪循環を及ぼす
〇【人を守る】
AIに代替されにくい雇用の創出や従業員の教育など
これからの時代は労働市場に入ってくるよりも、出てくる人の方が多くなる
企業側も人手不足のなかで優秀な人材を獲得するには、さまざまな慣行を柔軟性のある変化をさせる必要がある
企業の動きは関係ないと思われるかもしれないが、「入社年齢の多様化」となれば、退職をしても、自分をやりたいことや育児や介護に注力した後に、40歳、50歳で新しいところで再就職できる機会も増える
自分の会社でも副業解禁の流れや、出戻り採用も可能になった。社会的にもマルチステージ型の人生の働き方の実現が可能になっている。社会の流れは徐々に変化を感じる。
まとめ
本書の内容をまとめさせていただきます。
3ステージでの生き方が当たり前の世の中なのかもしれないが、これからはマルチステージの時代
学びや挑戦を繰り返して、理想の自分像(ありうる自己像)に近づいてくことが必要
スキル・人脈(生産性資産)、健康(活力資産)はもちろん大切。
さらに一歩踏み出す勇気の「変形資産」を持ってステージの移行(転職、ボランティア活動、学び直し)を何度も繰り返す
直近の問題(育児、介護、住宅ローン)ばかりに目を向けずに、100年生きることを想定して、長期目線で人生の計画を立てる。
今の前提(会社からの給料・税制・社会福祉制度)が覆る可能性も頭に入れておき、依存しすぎず、自立的な能力を常に貯えておく
自分の夢や理想は、家族にも打ち明けて、お互いのストーリーの共有し尊重しあう。
企業は職を守るのではなく、人を守ることを意識し、一人一人が柔軟には働けるように
「入社年齢の多様化」が進めば、マルチステージの醍醐味の「学び直し」や「育児・介護での離職」をしたあと、再就職のハードルも下がる。
いかがだったでしょうか?
読んでいただいた皆様の100年時代の人生が幸せな方向に行くことを願って、このブログを書きました。
あの時にやっておけばよかったな…死ぬときに後悔しない人生に。
人生は一度きり!!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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