喜多川泰さんの著書「 君が来た場所」を読みました。
この一冊も家族や娘には必ず読んでほしい本でした。
子供に対する親の向き合い方を考え直すことができる本です。育児に悩んだり、自分の人生の生き方に悩んだ時、本書を読むと人生の根幹や羅針盤のようなものが見つかると思います。
本書のストーリーとしては、会社を辞めて、塾を経営している主人公が、先祖のルーツを知る体験ができる特別な飴を手に入れる。
戦時中の祖父母の「生きる力」「子供に残したいもの」を知ることで、自分がするべき事をもう一度考えるようになる、そんなストーリーです。
今回は本書で感じた重要だと思った点を、【大切にする】、【子供から学ぶ】、【人の役に立つ】、【出会いの大切さ】、【今を生きる】、【生きる力】、【希望の種】という7つの分類でまとめました。
本書の表紙にも「久しぶりに家族に会いたくなりました」と書いてある通り、自分も家族に会って、自分のルーツを知りたいと思えました。
ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
大切にする
自分が大切にしていなければ、相手が大切にしてくれることはない。
だから君たちに、自分のいる場所を大事にしてほしい。そして自分の家族を大切にしてほしい。いざというときに味方になって命を懸けて君たちを守ってくれるのは家族だ。
君たちが大切にすればするほど、家族は君たちのことを大切にしてくれるし、君たちがこれから出会う将来のお嫁さんとかお婿さんだって、君たちにとって大切な家族を大切にしてくれる。同じように、君たちは、相手の家族を大切に思うことができる。
まずは自分が心から大切にするから、相手も君の大切なものを大切にしようとしてくれるんじゃないかな。
十代前の先祖は何人になる?2の十乗の1024人。三十代前だと十億人を超える。約七百年前の鎌倉時代。その頃の人口は1千万人もいなかったと言われている。
そう考えると今の時代に生きる僕たちはみんなきっとどこかでつながっている家族の一員なんだということが分かる。
その中のだれか一人がかけても、僕たちはこの世に生まれなかった。
子供から学ぶ
「すべての子供は、大人に自分の使命を気づかせるという使命を持っている」
君のおかげで両親は生きる意味を見つけることができた。
君は笑っているだけだったかもしれないが、その笑顔を見て、両親は自分の人生を何に使うべきか、何度も覚悟を決めて生きたんだ。
そしてこれまでの人生で、何度も死ぬほど苦しい思いをして、何度もあきらめそうになったのを踏みとどまらせたのは、君の寝顔だったことを知ってるかい?両親は君の寝顔を見て、生きる勇気をもらった。何度倒れても、立ち上がろうとする勇気を君からもらったんだ。
子供は大人が立派に育ててあげなければならないと思っているんだ。
ところが本当は反対だ。大人は子供からたくさんのことを学び、育ててもらっている。
すべての子供は素晴らしい才能を持って生まれてくる。大人になっても自分の才能を開花させることができない子供が多いのは、周りの大人がその才能を奪うからだ。
そして子供の持つ素晴らしさを奪って、自分のようにつまらない大人にすることを教育だと思っている。
小さな子供を見てごらん。
コップに飲み物を注ぐことだって、失敗を恐れずに何度も挑戦したがる。
そのことを持ち続けたまま大人になれる人間は果たしてどれだけいるだろうか。
大人になると、失敗を恐れて挑戦しなくなる人がほとんどだろう。失敗したら怒られるかなとか、笑われるかなと考えて、挑戦そのものをしなくなるのは子供ではなく大人の方だ。
子供から学ぼうとせずに、一日も早く同じような分別を子供にすり込もうとする大人は、自分の使命に気づかないまま一生を終えてしまう。
子供の笑顔を見ろ。子供の寝顔を見ろ。目の前にいる小さな命を守るために、今自分に何ができるのか考えて見ろ。この子が幸せに生きていくためには自分が何をしなければならないのか真剣に考えて見ろ。探そうとしなくても自分の人生でやらなければならないことが見えてくる。
そして見えてくるものがあるならば、迷うことはない。そこには君しかできない世界が広がっている。自分を信じてその世界をひたすら歩み続けるがいい。
人の役に立つ
人間だけがと言った方がいいかもしれない、人が喜ぶ姿を見て自分も幸せを感じることができる。
私たちには、誰かを幸せにするために生きているという実感があったからだ。それは、誰かを幸せにするために死ぬんだという実感に等しい。
自分の子供たちの命をつなぐために、この国にこれから生まれてくる新しい命のために、自分の命を使うと決め、そのために生きた。それは喜びでもあったのだよ。
戦時中の時代は『私』というものが極限まで制限されていた時代だ。何よりも『公』の方が優先された。『公』の前には『私』というものなど何の価値も見いだされなかった。それでも私たちはそこに使命を感じることができた。
『そうだ、私たちは、人の役に立つために生まれてきたんだ。とりわけ次の世代の子供たちに今よりもいい世の中を残すためにこの命はあるんだ』
今はいい時代になった。『私』の幸福を最大限に追求することが許されている。 ところが、そんな素晴らしい時代に生きていながら、今の世に生きる人たちの多くは、人間本来の幸せから遠ざかっているような気がしないかね。
今の子供たちは、自分のほしいものを手に入れ続けるのが幸せだと教えられて育つ。
しかし、その先に待っているものは幸せではない。
なぜなら、人間は自分が誰かから必要とされていると感じて初めて幸せを感じることができる存在だから。
出会いの大切さ
一人だけで何とかしようとするんじゃない。 すべては出会いによって実現されていく。自分が何をするかよりも、誰と出会うかだ。そしてその出会いは、自分が今できることを精一杯やっていく中で自然とやってくる。同じ志を持ったもの同士は惹かれ合って出会うことになっているんだ。
自らの使命を果たすべく必要なものは全部持って生まれてきた。どんな大きな壁に感じようとそれが出来るだけの準備をして、この時代を選んで生まれてきた。
この時代には自分にしかできない事がある。
しかし現時点では持っていないものがたくさんあるということも事実である。それは現地調達すればいい。
つまり必要なものは同じように使命に気づいて生きている者との出会いによってもたらさられるということ。
今を生きる
今の時代は自分の使命を見つけることができず、自ら命を絶つ人がたくさんいるね。
その数は、この国だけで毎年数万人にものぼる。特攻によって亡くなった若い命の何倍もの数だということに気づくだろうか。
自殺者数年間約2万人
特攻の死者数約4千人
自分の人生を豊かで素晴らしいものにしようとしすぎるあまりに、人間としての本当の幸せに気づくことができなかった
自分たちがやりたいことをやる権利を持って平和に生きられる時代は、ここ数十年になってようやく手に入れたばかり。
八十年ぐらい前に生きていた人たちは、大げさではなく誰もが、明日死ぬかもしれないという過酷な状況の中で、必死で家族を守るために生きていたんだ。
戦時中の人たちは希望ではなく覚悟を持って生きていた。
どんな事が起ころうともそれを受け入れて、今を精一杯生きる覚悟。
未来に不安を感じたり、将来に絶望視することもあるが、全てを受け入れる。そして「永遠に続く今」に集中して、今この瞬間に幸せを感じることに集中する。
人の目の前にあるのは永遠に続く今だけ。
未来がやってくるのではない。どんなに将来が明るくても、どんなに将来が暗くても、その将来がやってくるのではない。
あるのは永遠に続く今でしかない。
今日は過去に自分が恐れていた未来。
何が起こったかを見てみると、過去に自分が恐れていたことは起こっていない。
だったらその事を喜んで今を楽しむべき。
自分や家族皆んなが健康な事。事故やトラブルに巻き込まれてない事。今生きてる事。
しかし多くの人は今という時間を未来を不安に思うことに時間を使ってる。全ての今という時間を未来を心配することに使って、幸せを感じることなく生きている。
明日死んだらどうしようと心配して、生きている今を楽しもうとしないまま、何十年も生きているようなもの。
人間にあるのは今という時間しかない。どこまで生きても今という時間が永遠に続いている。
起こる事を受け入れ、それがいい事、悪い事と決めつけないで今、生きていることに集中する。
生きる力
父親が本当に残せるものは何か?
自分の人生を使って子供たちに本当に残してあげたいものは何か?
親が子供に残すのは「生きる力」である。どんな時代になろうとも子供が自分の力で自ら未来を切り開いていける力を子供たちの中に育てなければならない。
それを育てるのに一番の道具が「記憶」である。親がどんな時代に、自分を育てるために必死で生きてくれたかという記憶が子供たちの生きる力を育ててくれる。
決して残してくれた「もの」によって幸せになるのではない。
親がどう生きるかという記憶が子供たちの生きる力を育てる。残してくれる財や肩書きが子供たちを守ってくれるわけではない。
子供に対して「色んなことを我慢してお前を育てた」や「やりたいことができなくなった」とは言いたくない。
むしろ「お前が生まれてきたから、今の俺がある」「お前が生まれてきてくれたから、自分の好きなことをやる人生になった」と将来子供に言ってやれるような生き方をするのが親の役割だ。
家族が一人増えるたびに新しい何かに挑戦したい。
幼い子供が寝ている姿に、親は困難に立ち向かう勇気を与えてくれる。
そのことを娘に教わったことが、この物語を書くきっかけになった。
幼いころに「お前も親になればわかる」と言われたことの一つは、親となり、子供の寝顔を見ることによって経験できる。
新しい命は自分に何かを教えてくれるために、自分を親として選んで生まれてきてくれる。
その命に出会わなければ気付くことができない使命がある。
世の中がどんなに汚れていようとも、自分自身をその汚れに染めようとせず、自分を綺麗に磨くことによって世の中を変えようとする。
社会保険料が高いことで、自分の貯金が貯まらないと日本政府に文句を言い、自ら行動を取らない人→副業を始めて収入アップをする
日本の教育制度を理由に、自分の子供の学力が上がらないと不満をいい、親が子供に何も教えない人→新しい教材を選んで親自身が教える
自分ができることを自分でやることで、生きる力が育まれる。
希望の種
どの時代をとってみても、人生が何事もなく、平穏無事に過ぎていった時代はない。それぞれの時代に「誰も経験したことがない大問題」が常にあり、そんな中生きるためにはまさに命がけにならなければならない瞬間を誰もが人生の中で何度も乗り越えなければならない。
僕たちは次の世代に何を残そうとしているのか、本当は何を残してあげたいのかを一人一人真剣に考えなければならない。
そのためにはまず僕たちは何を受け取ったのかを知るところから始めなければならない。
僕たちが知らないだけで、大切にできない、多くの人が命をかけて守ろうとしたものがたくさんある。
戦時中は、我々の祖父母が『そうだ、私たちは、人の役に立つために生まれてきたんだ。とりわけ次の世代の子供たちに今よりもいい世の中を残すためにこの命はあるんだ』と命がけでつないできた命でもある。
まだ始まったばかりのその命を両腕に抱いて、子供を見つめるとその子の将来がまぶしく輝いて見える。
「この子はこれから、自分がどう育てるかによって、何にでもなれる」
すべての子供が希望の塊のように見える。でもそれは不確定の未来に対して感じている
安定を求めるのが人間の常なのかもしれないが、不確定な要素もあるからこそ、将来に希望を持つ事ができる。
きゅうりの種を蒔いて、トマトができる事がないように、不安な種を蒔いたら満足が、不安な種を蒔いたら希望がたぎることはない。
将来を素晴らしいものにするためには不確定の未来に対して、僕たちが勇気を持って一歩踏み出し、次の世代に残してあげたい種を、つまり「希望の種」を蒔き続けることが大切。
いつか未来の人がこの時代を振り返った時に、
「あの時代の人たちのおかげで、今の幸せがある」と言ってもらえるように。
そんな希望の種を蒔き続ける毎日を送ることこそ、ぼくたちは生きている実感や幸福感があるように思う。
まとめ
【大切にする】→自分が心から大切にするから、相手も君の大切なものを大切にしようとしてくれる。家族を大切にする。家族は命を懸けても持ってくれる味方である。現代の世の中の人は昔はどこかで繋がっていて、家族だった。
【子供から学ぶ】→すべての子供は、大人に自分の使命を気づかせるという使命を持っている。大人は子供からたくさんのことを学び、育ててもらっている。
子供の笑顔を見ろ。子供の寝顔を見ろ。目の前にいる小さな命を守るために、今自分に何ができるのか考えて見ろ。大人になっても挑戦をし続けることが大切。
【人の役に立つ】→人間は人が喜ぶ姿を見て自分も幸せを感じることができる。人間は自分が誰かから必要とされていると感じて初めて幸せを感じることができる
【出会いの大切さ】→自分が何をするかよりも、誰と出会うか。この時代には自分にしかできない事がある。必要なものは同じように使命に気づいて生きている者との出会いによって達成できる
【今を生きる】→過去に自分が恐れていたことは起こっていない。だったらその事を喜んで今を楽しむべき。
自分や家族皆んなが健康な事。事故やトラブルに巻き込まれてない事。今生きてる事。起こる事を受け入れ、それがいい事、悪い事と決めつけないで今、生きていることに集中する。
【生きる力】→親が子供に残すのは「生きる力」である。親自身が収入の安定より、新しい挑戦をして、子供の「記憶」に残す。「お前が生まれてきてくれたから、自分の好きなことをやる人生になった」と将来子供に言ってやれるような生き方をする。今できることを今やる。
【希望の種】→次の世代に何を残そうとしているのか、本当は何を残してあげたいのかを一人一人真剣に考える。
僕たちは何を受け取ったのかを知るところから始めなければならない。「希望の種」を蒔いて、「あの時代の人たちのおかげで、今の幸せがある」と言ってもらえるように。
いかがだったでしょうか。
当たり前と思えることが書いてあるかもしれませんが、本当に大切だと思うことばかりだと思います。
まずは自分の親に何をもらったのか?
どのような人生を歩んできたのか?
さらには祖父母の話や戦時中の話なども聞いてみるのはいかがでしょうか?
自分の先祖がどのような考えでこの命を繋いでくれたのかがわかると、次の世代には何を残すべきなのかが分かってくるはずです。
現在雇われの身は自分が退職後、子供には何も残らないが、起業をすれば子供に残す事ができる。
それはお金だけではなく、起業と言う新しい挑戦をしたという「記憶」が子供にも残り、それが子供の「生きる力」を育むことにつながると信じています。
「子供にお金がかかるから、大人はやりたいことを我慢し続ける必要がある」と言いたくない。子供を理由にやりたいことをやらない人生を送りたくない。「子供がいたから、自分の好きなことをやる人生になった」と、伝えられる大人になりたいと心から思いました。
あなたがやりたいと思っている新しい挑戦はなんでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
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