人生の格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点

給料 お金

本当の働き方改革とは

現在の働き方改革は企業側から見た「働かせ方改革」となっている→「残業を削減しろ。でも成果は維持しろ。」

残業があることが不幸ではなく、ストレスがたまる労働環境、人間関係を改革するべきであり、「働き方改革」は「ストレス改革」が必要である。

本書はストレス改革をするためには、どのような働き方をするべきかを、給料の決まり方から自己内利益の上げ方をもとに説明をしている。

給料の決まり方

◆必要経費方式(再生産コスト)

明日も同じように働くためのお金(食事の価値+住宅の価値+家賃の価値+他の価値)⇒労働力の価値

必要経費方式で算出されている理由(個人の成果で給料が決まっていない理由)

  1. 発展途上国の人件費が安い
    • 途上国は物価が安いので労働者は安く生活ができる。労働力の再生産コストが安い。労働力の価値が低い。
  2. おじさんの給料が高い
    • 扶養すべき家族がいるため生活費が高くなり、「明日も同じように仕事をするために必要な費用」(給料)が高くなる。
  3. 古い企業の給料が高い
    • いい時代の社会的経費がベースになって給料が決まっていた。(バブル期のタクシーで帰宅・気晴らしのための毎日飲み歩くが社会通念上「必要経費」として暗に認めらていた。)


結局、給料は成果や努力で大きく変わるものではなく、働く人が日々の暮らしで生きていくために必要なお金と明日もその会社で働き続けられるモチベーションを維持するために金額で決まっているのである。

自己内利益とは

①年収・昇進から得られる満足感 ー ②必要経費(肉体的・時間的労力や精神的苦痛) = ③自己内利益

①年収・昇進から得られる満足感を維持する難しさを理解する

  • 人は幸せになれる生き物であり、満足感は減っていくが、経費や労力は減らない
    • 大学生のころは、月20万もらったらリッチな生活ができると満足感はあったが、社会人になると年収1000万円あれば・・・とより高い給料を望んでしまう。)
  • 一度上がった損益分岐点は下げられない(プロスペクト理論:同じ金額・同じものでも「得ること、増えること」よりも「失うこと、減ること」のほうがより感情が変化する。)
    • 例:1万円失った時に感じる失望感を解消するには、2万円もらはないといけない。外資系の金融マンが、プライドが邪魔して給料が下がるところの会社に転職できない。

自己内利益の増やすための8つの方法

個人的にかかる必要経費が社会一般よりも少なければ儲かる。つまり自分だけが世間相場よりも必要経費下げることができれば、その分、「自己内利益」を増やすことができる

  1. 世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ(理想は、お金をもらえなくてもその仕事をしたいと思える仕事)
  2. まず「積み上げ」によって土台を作り、その土台の上でジャンプする(ジャンプする高さが低いをどストレスを感じにくく、継続する)
  3. 労働力を「消費」するのではなく「投資」する(消費:ある場所に1日立って1万円の仕事 投資:社長のカバン持ちとして顧客先をまわり、打ち合わせの議事録をとる2,000円の仕事)
  4. 長期的な資産を作る仕事を選ぶ

    土台の活かし方
    • 給料を上げるのは、使用価値ではなく、価値を高めることを意識する
    • 使用価値→ジャンプ(その場かぎり)追加でもらえる給料は、どんだけ疲れたか・どんだけ楽しみを犠牲にしたかではなく、プラスアルファの分働いて消耗した体力を再生産するために必要な経費だけ
    • 価値→土台
      You can’t connect the dots loooking forward;you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
  5. 過去からの「積み上げ」ができる仕事(職種)を選ぶ労働力の価値を上げたいのであれば、「知識」「技術」「ノウハウ」など移り変わりが少なく、「積み上げ」しやすい仕事を選ぶべき
  6. 変化のスピードが遅い業界・職種をあえて選ぶ
    • 「変化が速い」とは、知識や技術の「賞味期限が短い」ということインターネット業界は「ドッグイヤー」と言われ、犬が人の7倍のスピードで生きていることに由来する
      • 移り変わりが多い例:携帯ショップ店員の商品知識・インターネット業界
      • 移り変わりが少ない例:鉄鋼産業・建設業界  
  7. 働き方のポイント賞味期限が長く、身につけるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる
    • 会計の知識や営業力
  8. PLだけではなく、BSも考えて働く(=BS思考)
    • PLで考えるデメリット:直近の利益だけにとらわれてしまう。どのようにスキルや財産が増えたかを表現できない。短期的な目に見える結果を優先する
    • BSで考えるメリット:長期的な目線で物事を判断できる。

まとめ

いかがだったでしょうか。

本書では自己内利益を高めるための働き方を推奨しております。

「自分のは資産を作る仕事を今日どれだけやったか?」を少しでも意識して日々の仕事をしていけるといいと思います。

「人は、1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価しすぎる」、「したい人10000人、始める人100人、続ける人1人」と言われおります。

10年できることを過小評価せずに、地道に労働力の価値を積み上げていけば、大きな資産を築くことができると思います。一生「ジャンプ」し続けるよりも、今日から資産を土台にした働き方を目指してみてはいかがでしょうか?

その他

仕事の反対は?

日本人は「休み」・ヨーロッパ人は「遊び」

ぼったくり

使用価値(自分のメリット)があるから買ってしまうが、「価値」がないから買ってしまう旅行先でのお土産・ディズニーランド、富士山の頂上での300円の自販機のジュース

しかし、価値も必要である。電子書籍は本より安くしないと売れない。読者は「紙の束」を買っているのではなく、その本の「情報(使用価値)」に対してお金を支払っているが、中の情報が同じであっても、価値が低い電子書籍にはお金を支払わない

宝くじ

宝くじで大金が当たった人が自己破産をすることがあり、当選しない方が良かったと言っている人もいる。向こう50年の均等分配だったら状況は変わっていたかも

A1000千万円一気にもらえるのと、B毎年100万円を10年に分けてもらう場合どちらが幸せか?金利的にはAだが、Bのほうが幸せや満足感が継続する

熱帯雨林の木々

熱帯雨林の木々のように、みんなが多くの光を得ようと「上」を目指して競い合っても、みんな同じように伸びるので結局得られる光の量は変わらない

背が低くて幹もしっかりしている木に比べて、細長い木は嵐に弱いので、折れやすい。

それと同じで背伸びをして上に伸びようとしている人は、変化や混乱に弱くなる。上しか見てないので足をすくわれやすくなったり、ちょっとしたダメージにも弱くなる。

理想は「人よりも上」「今よりを多く」を目指すのではなく、人間一人一人がその適度な成長・競争を踏まえた「全体としての最良な選択肢」を選ぶことができれば「みんなにとって好ましい生き方」「みんなが幸せになる社会」が可能なはず。

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