私は現在日本の上場企業の経理として、約12年間働いています。
最近はRPAの出現や、システム化の流れが加速して、将来自分の仕事がなくなるのではないか?と心配になることがあります。
このブログでは、オックスフォード大学が発表している
THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?(将来機械に代替される仕事は?)と
アメリカでの給与実態と企業の採用側の需要実態を通して、目指すべきキャリアやスキルについて、ご紹介をさせていただければと思います。
本ブログの結論は、
主計長や会計士は、コンピュータに代替されやすく、財務長や経営者へコンサルタントできる部門はコンピュータに代替されにくい。
必要なスキルは、コミュニケーション能力、柔軟性である。
会計士より財務長のほうがコンピューター代替されにくい
この論文では702の職種から、コンピュータに代替されにくい職種から代替されやすい職種をランク付けして発表されています。
https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf
THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?
Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne
September 17, 2013
ここでご質問です。
代替されにくい職種702位(代替されやすい職種第1位)と代替されににくい職種第1位は何だと思いますか?
代替されにくい職種702位(代替されやすい職種第1位)は、Telemarketer(電話を使った販売活動をする人)
代替されににくい職種第1位は、Recreational Therapists(レクリエーション療法士)
予想は当たりましたでしょうか。
それでは本題の経理関係の職種を確認してきたいと思います。
152位:Financial Managers(財務長)
589位:Accountants and Auditors(会計監査人)
671位:Bookkeeping, Accounting, and Auditing Clerks(経理事務員)
695位:Tax Preparers(税金申告代行業)
いかがでしょうか。
経理事務員や税務申告代行業などの専門性のある職種や高度な資格を必要とする会計監査人が代替されやすい職種も
コンピューターに代替されやすい職種とされております。
しかし財務課長といった職種は、代替されにくい職種となっております。
理由としては法的な側面が強い、会計処理など答えがある業務はコンピュータが得意とするしており、経理事務員の経理処理や仕訳入力もコンピュータが得意とするため代替されやすいということが考えられます。
一方、経営者をフォローするコンサルタントのような職種や経営にかかわりが強い業種はコンピュータに代替されにくく、財務長も将来のキャッシュフローを作成したり、投資や借入などの高度な知識を必要とし、答えがない業務はコンピュータに代替されにくいとされているのです。
財務長と主計長どっちが給料が高い
今回は先進国のアメリカの参考記事を参考に、財務長と主計長の違いについてご説明をさせていただきます。
https://www.indeed.com/career-advice/finding-a-job/finance-manager-vs-accounting-manager
Finance Manager vs. Accounting Manager: Key Differences By Indeed Editorial Team
March 30, 2021
年間平均給料
主計長:78,459USD(約902万円)
財務長:98,097USD(約1,128万円)
※1ドル115円で換算
求人成長率比較
主計長:4%(他業種と同水準)
財務長:15%(他業種と比較して高水準)
上記の内容より、財務長の方が給料や求人についても高い水準にあることが分かります。
(アメリカの給与水準の高さにも驚きますが。。。)
将来の会社を安定的性を継続させながらも、新規事業への資金の使い方やベストな投資先の選択肢を経営者にアドバイスをしてくれるプロフェッショナルな財務長を企業が欲していることが分かると思います。
財務長の職種が、経営者の気持ちに寄り添いながらも、将来を見据えた提案をしてくことは、コンピュータが苦手とすることでもあり、代替されにくいということは納得していただけるかと思います。
先ほどご紹介した代替されにくい職種第1位のRecreational Therapists(レクリエーション療法士)47,710USD(約549百万円)と代替されにくいさと給料水準は必ずしも一致していないことも興味深いです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は二つの参考資料をもとに説明をさせていただきました。
オックスフォード大学の論文では、会計士よりも財務長の方がコンピュータに代替されにくいこと、
アメリカの転職サイトの記事では、主計長よりも財務長の方が給料や求人成長率が高いことをご紹介しました。
理由としては、「答えのある業務については、コンピュータは得意としているが、
将来の投資計画や資金管理、経営者の方針(気持ちへの配慮)を見据えた提案などは答えがないので、コンピュータに代替されにくい」ということとなりました。
生き残っていくためには、財務長を選ぶということが本ブログの結論になります。
しかし財務長を選ぶという選択肢が、「コンピュータに代替されにくい職種や給料が高いから」という理由だけでは、きっと仕事も楽しくならないかもしれません。
今後の経理部員として今後生き残っていくためには、情報をアップデートしていきながら
今までのやり方に囚われるのではなく、新しい仕事のやり方を積極的に取り入れることが必要だと思います。
コンピュータの方が優れているところは意地を張って拒否するのではなく、積極的に取り入れていくことが大切だと感じました。
その上で私たち人間が得意とするコミュニケーション能力や自ら考えて価値を生み出せることが大切です。
知識の多さや処理の速さ・正確さではコンピュータに勝つことはできません。
新井紀子さんの「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」でも、
AI(コンピューター)が得意な暗記や計算に逃げてはいけない。
私たち人間が身につけるべきは従順性ではなく、柔軟性と読解力であり、意味を考えること。
生活の中で、不便に感じていることや困っていることを探し、それをビジネス展開することを推奨しています。
AI(コンピューター)というものがどのようなものか分からないからこそ、怖いと思ってるのかもしれません。
もしAIというものを詳しく知りたいという方がいらっしゃれば
是非「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」についてもお読みいただければと思います。
ブログを書いたきっかけ
このブログを書かせていただいた経緯は、転職会社に相談をしたが、問題解決ができず、自分で調べた結果を皆様にも共有したいと思ったためです。
2021年の夏、将来のキャリアの相談のために、転職会社に登録をしました。
担当の方に「将来経理として生き残っていくためにはどのような職種を選び、どのような知識を身につければいいのか?」という質問を投げかけました。
しかし担当者から返ってきた答えは、
「もしあなたが目指したい職種がないのであれば、現在のあなたの経歴なら、欲しがる会社が多いので、いったん面接を受けてみてはいかがでしょうか。いくつか有望な企業をご紹介するので、職務経歴書と履歴書を作成してください」というものでした。
転職会社としては、転職をさせることで利益がもらえるので、個人の経歴相談だけでは、メリットないので、このような回答はしょうがないのかもしれないです。
その時は自分の中でやりたい経理業務が見えていなかったこともあったので、具体的な職種を伝えられたかったことも原因だったのかもしれません。
今後も本を読むことで先人、偉人の知識をインプット・アウトプットを繰り返すことで、
自分の考えをまとめ、そして大切な人に少しでも人生のプラスになることを伝えていきたいと思います。
この度はお読みいただき誠にありがとうございます。
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